古くからアイリッシュ・アクターはスクリーンで活躍していたのですね。コメントにイラストも一緒にいただきました。今回はそのパート１です。

ハリウッドで活躍のアイリッシュ・アクター / その１

アイリッシュ・アクターはイギリス映画界でも多く活躍していますが、世界で知られるには、やはりハリウッドで活躍しないとならないでしょう。グレース・ケリーやハリソン・フォードなど、アメリカのアイリッシュの2世や3世などを挙げると切がないので除かせていただき、北アイルランドを含めたアイルランド島出身で、ハリウッドを活躍の場とする俳優を取り上げてみました。フィルムゴア (filmgoer) として言いたい放題をお許しください。

モーリン・オハラ　Maureen O'Hara　 ( ダブリン Dublin )

"赤毛で気が強いが、どこか憎めないかわいい女"というハリウッドのアイルランド女性のイメージを決定付けた往年のハリウッド女優。カラー作品が作られ始めたハリウッドで、赤毛とグリーンの瞳が特徴の クイーン・オブ・テクニカラー として時代に乗る。ジョン・フォードに可愛がられて彼の作品によく出ましたが、西部の男、デューク （ジョン・ウェイン） には強い女が合うのでしょう。『静かなる男』 は、彼らの共演の中でも最高です。出身地のダブリン、サウスサイドのラネラ (Ranelagh) は閑静な住宅地で、よく訪れたので個人的に親近感がわきます。2015年10月24日､アメリカ合衆国・アイダホ州の自宅で老衰のため95歳で死去。

出演作 : わが谷は緑なりき(41)、西部の王者(44)、センチメンタル・ジャーニー(46)、三十四丁目の奇蹟(47)、リオ・グランデの砦(50)、静かなる男(52)、荒鷲の翼(56)、H氏のバケーション(62)、マクリントック(63)、100万ドルの血斗(71)、オンリー・ザ・ロンリー(91) 、他

リチャード・ハリス　Richard Harris　 ( リムリック Limerick )

60、70年代に数多くの作品に出て、歌うアーサー王から西部の男まで幅広くこなした、イギリス映画界の演技派アクションヒーロー。孤独なタフガイを演じたら最高の俳優でした。80年代は今一つパッとしないように思えましたが、『ザ・フィールド』でアカデミー賞にノミネートされてから、『許されざる者』で芸達者なところを見られた時は嬉しかったです。遺作で 『ハリー・ポッター』の魔法使いと、最後まで現役でした。気難しいという印象ですが、ダブリンで彼に出合った友人によると、とても気さくだったそうです。

出演作 : ナバロンの要塞(61)、戦艦バウンティ(62)、孤独の報酬(63)、テレマークの要塞(65)、キャメロット(67)、男の闘い(69)、馬と呼ばれた男(69)、ジャガーノート(74)、カサンドラ・クロス(76)、オルカ(77)、ワイルド・ギース(78)、ザ・フィールド（92）、許されざる者(92)、パトリオット・ゲーム(92)、グラディエーター(00)、ハリー・ポッターと秘密の部屋(02) 、他

リーアム・ニーソン　Liam Neeson　 ( アントリム Antrim )

『エクスカリバー』の円卓の騎士から、『スターウォーズ』のジェダイの騎士にまで "出世" したアイリッシュ・アクターの超売れっ子。主役でも脇役でも存在感のある逸材。『マイケル・コリンズ』 は彼のために用意されたような作品でした。歴史物に出ると作品に重みが加わる昔のチャールトン・ヘストンのような存在になりつつあるのでしょうか。ハリウッドのプロデューサーさん、今度 『十戒』 をリメイクするときは彼を使ってみては。

出演作 : エクスカリバー(81)、ミッション(86)、ダークマン(90)、シンドラーのリスト(93)、マイケル・コリンズ(96)、レ・ミゼラブル(98)、スター・ウォーズ　エピソード１/ファントム・メナス(99)、ギャング・オブ・ニューヨーク(01)、K-19 (02)、ラブ・アクチュアリー(03)、キングダム・オブ・ヘブン(05) 、バットマン ビギンズ(05) 、96時間(08)、特攻野郎Aチーム THE MOVIE(10)、アンノウン(11)、誘拐の掟(14)、ラン・オールナイト(15)、沈黙 -サイレンス-(16)他

ブレンダン・グリーソン　Brendan Gleeson　 ( ダブリン Dublin )

『遥かなる大地へ』や『ブレイブハート』などアイルランドやケルトっぽい映画が多いなと思ったらやっぱりこの人、アイリッシュ。『マイケル・コリンズ』の時は小さい役でしたが、スピルバーグ監督やスコセッシ監督などと仕事をしたり、最近は、『トロイ』や『ハリーポッター』といったハリウッドのイベント・ムービーに出るようになり、人気脇役の地位に。これからも多くお目にかかるでしょう。

出演作 : 遥かなる大地へ(92)、ブレイブハート(95)、マイケル・コリンズ(96)、M:I-2 (00)、テイラー・オブ・パナマ(01)、A.I. (01)、ギャング・オブ・ニューヨーク(02)、コールド マウンテン(03)、トロイ(04) 、キングダム・オブ・ヘブン(05) 、ハリー・ポッターと炎のゴブレット(05)、ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(07)、ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1(10)、アルバート氏の人生(11)、オール・ユー・ニード・イズ・キル(14)、ソング･オブ･ザ･シー　海のうた※声の出演(14)、アサシンクリード(16)他

ガブリエル・バーン　Gabriel Byrne　 ( ダブリン Dublin )

渋いおじ様の魅力で女性ファンも多いようですが、『エクスカリバー』 では無骨で荒々しい騎士を演じ、ひげ面でふっくらとし、今のイメージとは正反対でした。 シュワルツネッガーの敵役をやるなど、ハリウッドのメジャー作品に出ているが、今一つ代表作になるような映画が無いようです。今後、『ユージュアル・サスペクツ』 級の作品がいくつか欲しいところです。また影のあるような役が良さそうですね。

出演作 : エクスカリバー(81)、ミラーズ・クロッシング(90)、白馬の伝説(92)、アサシン(93)、若草物語(94)、ユージュアル・サスペクツ(95)、エネミー・オブ・アメリカ(98)、仮面の男(98)、エンド・オブ・デイズ(99)、ゴーストシップ(02)、シェイド(03)、チリ３３人　希望の軌跡(15)、母の残像(15)他

ということで、また次回に。

By Spike[ 2006年6月 ]　一部加筆2017年4月

[ ハリウッドで活躍のアイリッシュ・アクター / その1 – その2 – その3 ]     Maureen O'Hara Magazine : www.moharamagazine.com/
Meredy's Place : www.meredy.com
Meredy's Maureen O'Hara Trivia Mania : www.meredy.com/maureentriv.htm
素晴らしき哉、クラシック映画！ : www.geocities.jp/h2o_classic/
Academy of Motion Picture Arts and Sciences : http://www.oscars.org/
Irish Film and Television Awards : www.ifta.ie
Irish Film and Television Network : www.iftn.ie
Internet Movie Database : www.imdb.com
映画「マイケル・コリンズ」のダブリン歴史名所