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2017.03.10article
セイント・パトリックス・デイ – 人物、パレード、歴史
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また今年も世界のあちこちで、町が緑に染まる時季がやって来ました。パレードを大いに楽しむ前に、ちょっとその由来と今についてのお話です。

 

 

 

 

 

 

また今年も世界のあちこちで、町が緑に染まる時季がやって来ました。パレードを大いに楽しむ前に、ちょっとその由来と今についてのお話です。

毎年3月の日曜日に、原宿の表参道はケルティック文化のお祭りでにぎわいます。東京のセント・パトリックス・デイ(St.Patrick's Day – 聖パトリックの日)パレードは、1,000人を超える参加者と、3万人の見物客で、まさに日本の、最高の国際色豊かなイベントの一つです。この楽しさいっぱいのパレードは、アイリッシュ・ミュージックやダンス、ケルティック・アートやデザイン、日本中から集まった様々な参加者などに出会えるユニークな機会です。東京のセント・パトリックス・デイはまた、アイリッシュだけのイベントではなくなって久しいこの日に、アイルランド人、アメリカ人、イギリス人、日本人や、世界の人々と一緒に騒げる、国際交流の場でもあります。日本人のアイリッシュダンサーはフィドルやティンホイッスルに合わせてステップを踏みます。 " 聖パトリック " 自身がパレードを先導して、バグパイプ・バンドや、マーチング・バンド、すばらしいアメリカ軍軍楽隊、大学チアリーディング・チーム、インターナショナルスクール、そして動物好きにはアイリッシュ・セターとアイリッシュ・ウルフハウンドが続きます。そして様々な職業の人が参加するボランティアも、風船やバナーを持ってこの大きなパレードに参加します。

Parade in Dublinセント・パトリックス・デイは、そんな多くを取り込んだインターナショナルなイベントになってしまったので、その起源や、どうして世界中で3月17日近くの週末なのか、そしてなぜグリーンの習慣がこのように世界に広まったかということを忘れがちです。'セント・パディーズ・デイ 'は伝統的には宗教的な祝日で、パレードではグリーンが中心的な色です。これは、アイルランドではグリーンは希望と自然、そして春の訪れを表すからです。3月17日は、伝説では異教のアイルランドをキリスト教に改宗させたといわれる人物、聖パトリックの命日なのです。実際、伝説の中の聖パトリックがアイルランドから蛇を追い払ったというのは、まさにそのことで、これは初期のアイルランドにおいて、異教の生活習慣や文化が終わったことを意味しているのです。

このアイルランドの守護聖人である聖パトリックの初期の様子はほとんど知られていません。しかし、彼の生涯はまさに皮肉なめぐり合わせでいっぱいでした。中でも最も有名なのは、彼がアイリッシュではなく、ブリティッシュだったということでしょう。彼は少年の時にアイルランドの海賊に故郷ブリテンからさらわれて、6年の間、奴隷として強制的にアイルランドで羊の番をさせられたのでした。それは寂しく、恐ろしい体験で、そこで祈りと黙想に安らぎを見出したのでした。パトリックの本当の名前は全くアイルランド的ではなく、Maewyn Succat (マイウェン・サケット) と言いました。彼は後に聖職者となってから、もっとキリスト教徒的名前のパトリックに変えました。それはアイルランドからブリテンに脱出した10年後のことで、その後、ゴール (Gaul、ガリア – フランス)の修道院で12年間以上、教義を学ぶことになるのでした。

伝説によると、このアイルランドから離れていた間、彼はアイルランド人を改宗させるためアイルランドに戻れという声に取りつかれたということです。彼のアイルランドの言語や現地人に関する知識は、彼を布教の指揮をとるのに適任者としました。60歳に達した時、彼は異教徒を改宗させる最終段階を監督するため、アイルランドに送られたのでした。一般に知られていることとは異なり、聖パトリックはアイルランドにキリスト教をもたらしたのではなく、むしろ、何十年か前に当時未開で危険な土地に降り立った勇敢な宣教師達の後を引き継ぎ、布教を完成させる仕上げを行ったのです。この聖人はこの新しい土地に宣教師として30年間住み、西暦461年3月17日に他界したのでした。


New York

そして更なる皮肉なこととして、聖パトリックの日の、パレードの習慣はアイルランドで始まったのではなく、アメリカ合衆国で始まったということがあります。イギリスの軍隊とともに兵役に従事していたアイリッシュの兵隊が1762年の3月17日にニューヨークの町を行進したのが始まりでした。この小さな始まりから、セント・パトリックス・デイ・パレードはしだいに大きくなって行き、今では、ニューヨークから、シドニー、モスクワ、東京まで、世界の主な大都市で祝われるまでになりました。中でもニューヨーク・シティーのパレードはどこよりもはるかに大きく、20万人以上がパレードに参加し、100万人以上の人が沿道やテレビでこれを見ます。

東京の最初のパレードは1992年に行われ、参加者の努力とスポンサーのおかげで、他の聖パトリックの日のパレード同様、年々大きくなって行きました。そして、この日に古くから言われるように、「皆がアイリッシュ」となり、踊って、飲んで、笑って、このお祭りを楽しみます。それが世界中で楽しまれているセント・パトリックス・デイです。

By セナン・フォックス
[ 2006年3月 ]

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